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2021年から始まる新大学入試を中心に、日本の教育や受験事情は激しい変化と混乱のなかにある。しかし、これはただ子供たちだけに関係する出来事ではない。教育は社会の鏡であり、教育の変化を通して社会の本質に迫ることもできるはずだ。

AIが古い教育を壊し始めている

 私たちの社会は、産業革命と言われる数度にわたる社会全体のイノベーションを通じて、劇的に変化してきました。19世紀に英国で起こった第一次・19世紀末から20世紀初の重工業を中心とする第二次・そして作業のオートメーション化を主体とする20世紀中盤の第三次と、産業革命は私たちの肉体労働を劇的に軽減し、サービス業と頭脳労働の活躍する領域を拡げました。このため大学教育が重視され、一世代に占める大学生の割合は拡大の一途をたどり、国の施策もあって四年制大学進学率は日本ではもう5割を超え、ついに頭打ちに達するに至りました。
 しかしいま進行中の第四次産業革命は、これらとは根本的に性格が違います。AI(人工知能)の台頭が私たちの大半の頭脳労働を奪っていくともに、ごく少数の、極めて高レベルの能力を持った人たちに仕事と富が集中していく流れを作り始めています。オックスフォード大学准教授M・オズボーン氏が2014年に発表した「雇用の未来」は、そうした現実を予言するものでした。「AI時代」の到来は、既存の大学教育の存在意義を根本から揺さぶり、人口に対して増えすぎた大学の淘汰を促すとともに、学びの仕組みの全面的変革を不可避にしているのです。

人生100年時代の到来

 一方、医療の発達は人の寿命を伸ばし、これからは「人生100年時代」とも呼ぶ長寿社会に突入します。でもこれはそんな楽天的な話でもありません。人は、長い人生行路の中で激しく変化する社会に適応し続けざるを得ず、そのため長期にわたって働き続け、生涯にわたって学び続けなければならない、そういう大きな課題を負うことになるのです。
 いま、国、文部科学省はもちろん、全国の大学はこの課題を鋭く意識し、危機感をもって改革を遂行しようとあがいています。一見、混乱と不透明さに溢れている入試制度改革も、そういう視点で見るときれいにその意味が読み解けていくものです。

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